お肉はしっかり加熱すると食中毒の心配はなくなるものの、火を通しすぎるとパサパサして美味しくありません。
そこで低温調理をしようと思うものの、食中毒にはなりたくないので、安心安全と美味しさを両立できる方法を調べてみました。
3つの要点
低温調理についての要点を簡単にまとめると、
- 温度と時間を管理すること
- 調理後の見た目では判断しないこと
- 予熱を利用した調理は行わないこと
要するに、低温調理器を使用して公式レシピ通りにし、自己流アレンジしなければOK!
なんですが、ワカモリの愛用する【ホットクック】は旧型16Eのため低温調理器ではあるものの、公式レシピのローストビーフやローストポークは新型のみの対応。
ならば、自己流アレンジではなく、科学的データをもとに公式レシピを分析して手動で調理しようと思い、その計算式等をまとめることにしました。
お肉が硬くなる温度から調理温度を決める
50℃……ミオシン(タンパク質の一種)が収縮し始める温度、生肉の食感が無くなり始める
60℃……肉の色が変わり始める温度
66℃……アクチン(タンパク質の一種)が収縮し始める温度、肉汁が出てかたくなり始める
すなわち、ローストビーフやローストポークなどの料理は65℃以下で調理するのが、柔らかくしっとり仕上がりそうです。
ただ、食中毒の危険性を考えると最低でも55℃、なるべく60℃、いややっぱり63℃、できるなら65℃で調理すべきだという決断をワカモリはしました。
見せかけの調理時間に注意
厚生労働省によると、食肉の加熱において中心温度と加熱時間は「75℃、1 分」、「70℃、3 分」、「69℃、4 分」、「68℃、5 分」、「67℃、8 分」、「66℃、11 分」、「65℃、15 分」が妥当とされています。
内閣府の食品安全員会でも、中心温度と加熱時間は鶏肉の場合63℃で30分、70℃で3分、75℃で1分とのこと。
「温度と時間を管理する」と言いましたが、この【温度】というのは具材であるお肉の中心温度のことで表面の温度ではありません。
例えば63℃に維持されたお湯に30分つけておいても、お肉の中心温度が63℃になっているとは限りません。
そして中心温度が目標の温度になるまでには、お肉の厚さが関係しているそうです。
薄いお肉だと中心温度が目標に達するまでに時間はさほどかかりませんが、逆に厚いお肉だと時間がかかります。
例えば厚さ3㎝の鶏肉を63℃に維持されたお湯につけておいた場合、中心温度が63℃になるまでに約68分かかるそうです。
そうなると本当の調理時間は【中心温度が目標に達成するまでの準備時間+加熱時間】となるので、
厚さ3㎝の鶏肉の場合:63℃で68分+30分=98分、70℃で70分+3分=73分、75℃で70分+1分=71分、という事になります。
さらには、食材の厚さだけでなく形状や、何の食材か、さらには同じ食材でも部位の違いによる脂肪分の多さによっても準備時間や加熱時間が変わるようなので、注意が必要です。
なんとまあ、やっかいな。
お肉の厚さから調理時間を決める
色々調べてきて、素人がベスト時間を判断するのは難しいと感じました。
お肉の部位による脂肪分の含有量については分かりませんが、少なからずお肉の厚さは計測すれば分かるので、そこから調理時間を決めることにしました。
食中毒を起こさない安心安全のために、科学データの数字にややプラスした時間で調理したいと思います。
まず、【中心温度が目標に達成するまでの準備時間】は【お肉の厚さや形状】によってかなり違いますが、【目標温度】によってはそこまで違いはなさそうなので、調理時間を決める際に目標温度は気にかけない事に決めました。
次に、一般的なスーパーで販売しているお肉の形状は「板状?円柱状?球状?」
球状ではなさそうですが…、という訳で板状と円柱状のお肉の【中心温度が目標に達するまでの準備時間】について、平均値を計算してみることにしました。
細かいことを言えば、中心部が設定した水温の-0.5℃になるまでの時間だそうです。
厚さ | 円柱状 | 板状 | 平均 |
3㎝ | 50分 | 90分 | 70分(1時間10分) |
3.5㎝ | 60分 | 120分 | 90分(1時間30分) |
4㎝ | 75分 | 150分 | 113分(1時間53分) |
4.5㎝ | 90分 | 180分 | 135分(2時間15分) |
5㎝ | 120分 | 210分 | 165分(2時間45分) |
ワカモリの2つめの決断です。【中心温度が目標に達するまでの準備時間】はこの平均値を利用することにしました。
次は加熱時間です。
加熱時間は厚生労働省からの発表に従います。でも、厚生労働省の発表は「65℃で15分」より低い温度は掲載されていませんでした。
それでも調べていく中で、安全性をしっかりと考えられて且つ難しい計算方法で導き出されている方がいらっしゃったので、勝手ながら参考にさせていただく事にしました。
調理温度 | 加熱時間 |
60℃ | 72分 |
61℃ | 54分 |
62℃ | 41分 |
63℃ | 30分 |
64℃ | 23分 |
65℃ | 17分 |
65℃で17分なら、厚生労働省が発表している「65℃で15分」を満たしています。
ワカモリの3つ目の決断です。加熱時間はこの表をもとにします。
温度と時間の設定まとめ
ワカモリ的に、温度と時間を管理する基準は上記の通り決めました。
もし仮に厚み5㎝のお肉をワカモリが手動で調理するなら
65℃設定で準備時間165分+加熱時間17分=調理時間182分(3時間2分)
64℃設定で準備時間165分+加熱時間23分=調理時間188分(3時間8分)
63℃設定で準備時間165分+加熱時間30分=調理時間195分(3時間15分)
という事になります。
次に、厚み4㎝のお肉をワカモリが手動で調理するなら
65℃設定で準備時間113分+加熱時間17分=調理時間130分(2時間10分)
64℃設定で準備時間113分+加熱時間23分=調理時間136分(2時間16分)
63℃設定で準備時間113分+加熱時間30分=調理時間143分(2時間23分)
という事になります。
ホットクックの公式レシピとの比較
①ローストビーフ【メニュー番号278】
最新型【ホットクック】の公式レシピでは
牛赤身かたまり肉(厚み6㎝以下のもの)600gで調理時間195分(3時間15分)
となっています。
ワカモリが決めた計算式には厚み6㎝のものはありませんが、厚み5㎝温度63~65℃で3時間を超え、公式レシピの調理時間に近いと思います。
②ローストポーク【メニュー番号279】
最新型【ホットクック】の公式レシピでは
豚肩ロースかたまり肉(厚み6㎝以下のもの)600gで調理時間120分(2時間)
となっています。
ワカモリの計算では厚み5㎝でも準備時間に165分かかります。
どうやって2時間で調理できるのかは素人のワカモリには分かりませんが、きっと【ホットクック】にはすごい企業努力が隠されているのでしょう。
最後に
ワカモリの計算式はあくまでも素人が調べたものなので、目安にすぎません。
ご参考までにお願いします。
そもそも、新鮮なお肉を衛生的に管理していなければ、いくら加熱したところで食中毒をゼロにすることはできないですもんね。
今回ワカモリが自分で調べてまとめたことで、今後、ローストビーフやローストポークを手作りする際により安心安全に気を付けようという気持ちが大きくなりました。
そして、最新型の【ホットクック】の公式レシピのローストビーフ・ローストポークを食べたくなりました。
いつか手動で調理したものと、食べ比べしてみたいです。
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